今回、サンデン交通様に要望書を提出した事により、僕たちの意向をある程度伝えることが出来たのではないかと思います。サンデン交通様の回答書を受けて、参加した当事者メンバーから出た面白い感想をいくつか上げてみたいと思います。
県と国からの助成をうけて毎年5〜6台の割合で増えていく話はよく分かったが、現行のサンデンバスの一区間の運賃を10円〜20円値上げすれば、年間のノンステップバスの増車率は、少しはあがるのではないか?
助成金ばかりに頼らない企業努力も必要という事でした。障害当事者に限らず、バスを利用する多くの人たちが運賃値下げを願う中で、
将来的に自分たちも利用しやすい形になるためには、少しくらいの痛みも、いたしかたない。
といった意見が出た事も非常に印象的でした。
現在のノンステップバスで車椅子に乗ったままで乗降できるスペースは2〜3台のスペースしかないので最低でも倍のスペースを設ける形が望ましい。
という意見も出ました。
もしこれからノンステップバスが増えたとしても、現在のように2〜3台のスペースだけしか無ければ、車椅子ユーザー同士で遊びに行った時、他の停留所から車椅子の人が乗ってきても乗り込めないから。
という理由でした。そして、
誰でもがいつでも利用できる受け入れ態勢をこれからも考慮したものであって欲しい。
ということでした。
ベンチの設置に対しては、身体障害者にとっては必要なものであっても、サンデン交通様からの回答書にあるとおり、ベンチがあることで視覚障害者の方やベビーカーを押した方々の歩行の邪魔になると言う話は、自分たちのことだけに目がいってしまい気付かなかった。
たしかに、全ての人の意見を聞き入れる事は不可能だろうし、お互いが歩み寄ることが必要だと、改めて考えさせられた。
という意見も出ました。
ベンチの大きさをもっと小さくすることで、対処は出来ないものかなぁ…。
というのも本音のようでした。
今すぐ全車両をノンステップバスに切り替えることは難しいようですが、ある程度バスを利用する時間帯が決まっていれば、その時間帯にノンステップバスを走らせるように努力しますという柔軟な対応策もご提示いただけました。
これを踏まえて、当事者が最低限、必要とする時間帯や路線の情報を集め、サンデン交通様に交渉をしていこうと思います。又それと平行して、乗務員の対応等に改善点が見られるかどうかといった点も当事者自身がバスを利用する際に確認して行こうと思います。
障害種別によって、それぞれの要望には相違がどうしても生まれてしまいます。そのときに、お互いがどれだけ歩み寄れるかということも、改めて考えさせられました。
最後に、回答書8に「障害者に対してやさしく接してほしい。」となっていますが、僕たちは、決して「障害者に」と限定した意味合いで質問をしたのではありません。
「障害者に対してだけでは無く、高齢者、子供連れの方、妊婦さん、怪我をされたり体調の悪い方。もっと言えば利用される全ての方に、優しくあって欲しい」との意味合いで質問しました。
今回、要望書を提出して正式に回答を頂きましたが、これで終わりにするのではなく、先に述べたように当事者の目線で交渉、チェックを継続して行くことで、初めて今回の行動が生かされるのではないかと思います。皆さん、これからもどんどん、表に出て行きましょう。
代表 三浦 孝司